【報告】空き家利活用実践ワークショップ第4弾
(前回までのあらすじ)
岩村町の空きスペースを有効活用に導く、改修を伴った本ワークショップ。
家主さんから協力を得て会場として提供いただいている空き家の一つY邸では、不用品を運び出し、片付いたスペースを早速何かに使いたい、と動き出し、
「壁板張って、棚を設置するだけで何とかなる」と楽観視していたものの、
雨水の浸入は思ったよりも建物にダメージを与えており、町家ならではの隣との密着した作りが余計に補修を容易にせず、私たちの前に立ちはだかったのでした・・・
しかし!ここで止まるわけにはいきません!私たちには、建築を本職とする力強いメンバーがいる!! 基礎と土台を作り直す、という当初の想定を超えた土木作業を決行することに!
(本編)
9月14日(日)、第4回目のワークショップは、前回行った、「腐った土台と柱を切り上げ、雨水を防ぐために基礎を高く打ち直す」ための準備として「柱を切り上げる際に、建物が傾かないように、台座に柱を固定しておく」という作業の続きとなりました。
メインとして「新しい土台を柱にはめ込み、コンクリートで基礎を打つための鉄筋を組む」作業を行いました。
【作業①土台作り】
まずは、切り上げた柱の高さをそろえて、新しい土台をはめ込むための「ほぞ」を作りました。
すでに立っている柱を下からのこぎりでほぞを作っていく作業は、一般人には至難の技。それでも3本の柱にほぞを作ることができました。
次に新しい木材を土台にするために、今度は「ほぞ穴」を彫る作業。
先ほどの「ほぞ」がぴったりはまるように、位置関係を正確に記しておきます。
今回は、昔ながらの工法を体験するという名目で、ノミを使って手で掘っていきました。
2×10 センチ程度の面積を深さ6センチほどまで堀る作業でしたが、こちらもなかなか骨が折れます。
彫り終えた土台に防腐剤を塗ったら、いよいよ柱にドッキング。
と思ったら、若干ほぞと穴の位置がずれたりして、2回ほどの修正が入りましたが・・・
最終的に、見事にはまりました!
本日一番の盛り上がりでした!
【作業②鉄筋組み】
今回、土台の下には、鉄筋を組んでコンクリートの基礎を高く上げる、という手法をとることにしています。
そこで、基礎の強度を上げるための鉄筋を組む、という作業が必要となります。
改修しているスペースにはもともとがコンクリートの土間が打ってあるので、ドリルで穴をあけ、鉄筋を打ち込んでいきます。
横にも鉄筋を配して、結束線をハッカーという道具で結わいて完了。
補修が必要な壁3面のうち2面でここまでの作業を行い、今回は終了しました。
今後は、この鉄筋部分に枠を組んでコンクリートを流し込み、基礎を完成させます。
【まとめ】
徐々に補修も段階が進んでいくにつれ、作業が「壊す」や「取り除く」から「組み上げる」「取り付ける」へと変わっていき、参加者一同今後に向けた手ごたえを感じることができました。
最後に参加者で感想を出し合いましたが、「何回か参加して作業をしているうちに、この建物にどんどん愛着が湧いてきた」という感想をいただきました。古いものを壊すことは簡単ですが、少しでも作業に関わる事で、町の空き家を身近に感じて大切にしたい、という気持ちを多くの人に持ってもらうことは私たちの願いでもあります。今後も参加者の方が楽しく関わっていくことのできるワークショップ作りに励んでいきます。
(ご近所さんも見に来てくれました)