いわむらトピックス

空き家利活用実践ワークショップ

 よみがえれ、町家

~岩村町空き家利活用実践ワークショップ~

平成26年度、城下町ホットいわむらでは、増加を続ける町内の空き家に対し、修復や利活用に向けた課題を浮き彫りにし、補修や不用品整理等を通した実践的な体験から得た気づきと学びを共有していくための、ワークショップを開催してきました。

このワークショップの取り組みを冊子にまとめ発行し、本ホームページ上でもご覧いただけるようPDFで掲載いたします。ワークショップを通して参加者や関係者がどのように感じ、どのように意識が変化してきたか、またどのように次のステップへつないでいくのかを記録したものですので、どうぞご一読ください。

よみがえれ町家報告冊子(pdf)

初回から5回目までのワークショップの模様は、個別に以下のリンクからもご覧いただけます。

  • 2014年6月21日第1回ワークショップを開催しました。

 ◎活動報告はこちらから≫

  •  2014年7月27日第2回ワークショップを開催しました

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  •  2014年8月24日第3回ワークショップを開催しました

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  •  2014年9月14日第4回ワークショップを開催しました 

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  • 2014年10月12・13日第5回ワークショップを開催しました

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これまでの取り組み

【introduction】

恵那市岩村町は、かつて岩村藩の城下町として栄え、明治以降は岩村電気軌道の開通等により、恵南地域の中心地として、多くの人や物資が行きかう町でした。

その岩村町も昨今の車社会の到来等により、城下町エリアの空洞化が進み、商店や住居として活用されてきた城下町ならではの町家建築もだんだんと空き家が目立つようになりました。

空き家の増加は、岩村町の観光活性化において景観を損ねるだけでなく、老朽化による倒壊の恐れ、防犯・防災上にも影響があり、不動産業者では扱いづらい上、住民が減少し高齢独居の多くなった地区では、お祭りに参加できなかったり、コミュニティを維持していくことが困難になってしまいます。

こうした現状を踏まえ、ホットいわむらでは空き家対策を検討・実施を行い、次代につながる町家活用等に取り組んでいます。

ホットいわむらの空き家対策は次のようなことを行ってきました。

・空き家所在地の調査

・空き家所有者への連絡、恵那市空き家バンク物件登録の推奨、利活用に向けた相談

・移住希望者、利用希望者への対応

・利活用に向けたワークショップ・空き家内覧等の企画・開催

・広報活動

・他地域との情報交換、連絡等

以下に個別の取り組みについてのご紹介をいたします(上記各項目をクリックすると移動します)。

 

空き家所在地の調査

ホットいわむらでは、まず空き家が町内のどこにあるのかを把握することから始め、平成24年に町内の各自治会長にアンケート調査を行い、地区ごとの空き家所在地の把握に努めました。

さらに平成25年には、空き家と目される家屋に、今後の意向を伺うアンケートをポスティングし、家主さんからの回答を得ることもできました。

その他ホットいわむら総会にて、100名を越す会員に情報提供を呼びかける中、実際に紹介を受け家主さんとのコンタクトをとることのできた事例もありました。

こうして集まってきた空き家所在地の情報をもとに、空き家対策の方向性を検討しています。

(課題)情報の大半が城下町エリアに集中し、岩村郊外の情報の充実が求められています。実際移住を希望される方からの相談として多くを占める田園エリアの方に空き家が少ない、という印象もあります。

 

 

恵那市空き家バンク物件登録の推奨等

ホットいわむらと行政の連携のもと、増え続ける恵那市への移住希望者への物件情報を増やすことができるよう取り組んでおり、所有者アンケートなどで意向の確認できた家主さんには、恵那市の空き家バンクへ物件登録していただくことも勧めています。

家主さんに持ち家の処遇について空き家バンクを紹介することで、不用品の処置や、補修等利活用の壁となるものについて柔軟に考えていただきたいと考えており、実際の登録に結びつけられた事例も出ました。(空き家バンク制度については恵那市HPをご覧ください⇒「恵那市ウェブサイト」トップページバナー「恵那の暮らし」)

(課題)城下町エリアの空き家は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されていることもあり、容易に改装、取り壊しの措置がとれません。さらにそのような物件の多くが100年を越すような木造建築です。一度人の手が離れると、老朽化のスピードも速く、家主さんが手放す意向のものでも、実際に使えるようにするには、大幅な補修が必要とされてます。

 

移住・利用希望者への対応

岩村町に住みたいという方からご相談を受ける機会も増えてきています。空き家バンク利用者登録制度の紹介や、ホットいわむらで独自に聞き取りを行い、最適な物件をマッチングできるような、仕組みづくりに取り組んでいます。

(課題)前記のように、城下町エリアでは改修費用の問題、田園エリアではそもそもの空き家がないことで、現在ご紹介できる物件がほとんどない状態にあります。いち早い家主さんとの調整が望まれています。

 

ワークショップ・見学会等の企画・開催

岩村の空き家には、家主さんの所有物が残っていることも多く、また老朽化の進行によって、すぐに利活用できない建物ばかり残っているのが現状です。しかし、かつての生活の名残を収めた古い建物は、現代の生活様式に慣れた私たちにとっては、まさに未知の世界。少しでも多くの方に、岩村で築かれてきた生活の一片を感じてもらい、次代につながる利活用を考えるワークショップや見学会を開催しています。

 ●2013年9月開催 ホットいわむら×慶応大学サークル”ヒヨシエイジ” 「町家清掃ボランティア合宿」

空き家になって荒れてしまった町家を、「寝泊りができるようになるまできれいにしてみよう」と、学生サークルの方々と不用品整理と室内清掃に取り組みました。また実際に泊まってみた感想をもとに、学生さんたちの自由な発想で、建物の利活用案についてアイディア交換等を行いました。(※”ヒヨシエイジ”は、慶応大学日吉キャンパス周辺の地域住民と学生有志が連携に取り組むプロジェクトです。ヒヨシエイジホームページ⇒「ヒヨシエイジ」)

  

 ●2014年1月開催 岩村暮らし探訪町歩き

岩村での暮らしに感心を持つ方を対象に、古い町家の残る伝建地区での生活を身近に感じながらイメージを膨らませてもらうというもので、所有者の方から了承を得た数軒の空き家・空きスペースの内覧も実施しました。(さらに詳しい内容はホットいわむらHP内でご紹介しています⇒「【報告】いわむら暮らし探訪まち歩き」)

  

(課題)ワークショップや見学会は、古い町家建築への興味関心を深めることはできるものの、実際に中を見てしまうと「住む」や「使う」ことへのハードルの高さを感じてしまうことも確かです。具体的な利用者の掘り起こしが望まれています。

広報活動

空き家問題をより多くの住民の方に知っていただき、関心を高めていけるような、広報活動を行ってきました。ホットいわむらが独自で発行し、町内回覧で岩村町各世帯に配布される広報誌「ホットいわむらだより」に、取り組みについての特集記事などを掲載する他、当ホームページ等で、より広範囲で情報共有を図っていきます。

ホットいわむらだよりH26年8月号

 【これまでに採り上げた空き家対策関連記事掲載号】 (クリックするとpdfが開きます)

    • H25年8月号  (5P-ホットいわむらが考える空き家対策)
    • H25年9月号      (5P-アンケートポスティング報告)
    • H25年10月号 (3P-清掃ボランティア報告)
    • H26年2月号  (4P-いわむら暮らし探訪まち歩き報告)

 

他地域との情報交換等

岩村町に限らず、恵那市には多数の空き家が存在しており、各地域でさまざまな対策が行われています。特に、串原地区「NPO法人奥矢作森林塾」の取り組む「古民家再生塾」は、「平成25年度全国過疎地域自立活性化優良事例」として表彰されるなど、全国的にも空き家対策の先進地として知られています。こうした身近なつながりを活かし、より有効な対策を立てていくため、各地域との連携に取り組んでいます。

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