【報告】空き家利活用実践ワークショップ第5弾
(前回までのあらすじ)
ワークショップの主戦場となった、y邸では、部屋に侵入する雨水への対処によって、想定外の作業へ突入。
町家ならではの構造によって、外側からの処置が困難なため、部屋の内側から雨水の浸入を防ぐために、鉄筋を組み、コンクリートで基礎を高く上げることに。
慣れない作業に、厳しい?指導の声が響く中、何とか土台のはめ込みと、鉄筋組みが終わったのでした。
(自主活動編)
基礎を作るための木枠にコンクリートを流す作業は、町の職人さんたちにお任せし、ワークショップとは別に行いました。
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しばらくの間、建物を支えていたやぐらも取り外され、新しい土台と基礎がしっかりと柱を受け止めています!!
ついでに、水分の上がってきやすい以前の土間部分にもシートを敷き、その上からコンクリートを流し込み床の高さを上げ、湿気をシャットアウト。
基礎と土間の再生によって、やっと雨水の浸入の心配がなくなり、ようやくスペースとして使うためのスタートまで来ることができました。
この時点で、すでに部屋の様相は以前と別物のよう。今後どのように再生されていくのか、胸が高鳴ります!!
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(本編)
これまでは雨水の浸入を防ぐという、利活用以前の作業でしたが、今回から、どのような使い方をしていくのか、というソフトな視点からの作業に移ってきました。
Y邸は、いわゆる「うなぎの寝床」と呼ばれる横に長い作りで、全てを改修していくにはかなりの費用と時間が必要となります。
条件が整うのを待っていると何も動けないので、少しでも使える部分から使ってみようと、11月に恒例となった「いわむら城下おかげまつり」の中で、イベントブースとして利用することを計画しています。
そこで、これまでコンクリートブロックが積み上げられていた壁面に、壁板と陳列棚を取り付け、内装を手がけることに。
【作業①壁板張り】
あらかじめ打ち付けておいた下地に杉板を丸頭釘で打っていきます。丸釘を使う理由は、仕上がりがきれい、とのこと。
コンプレッサーを使って、バシバシと打っていく方法もありますが、ここは手作業で、作る楽しさを味わいます。
この壁板に、植物油ベースのクリアな自然塗料を塗っていき、味わいも増してきました。
【作業②陳列棚作り】
イベントスペースとして物販などを考えたときに、やはり陳列棚が必要だろうということで、作成することに。
材は、スギとヒバの2種類の集成材を使用しました。
ネジをインパクトで打ち込んだり、カンナを使った「面取り」も経験することができ、立派な陳列棚が2つ出来上がりました。
内装を少し整えただけで、もはやかび臭く暗かった部屋のイメージはありません。
早速イベントでのポップアップストアとして企画している、レコードショップを想定して陳列。
y邸から出てきた家具調のステレオも再生され、レコードを流してみると、本当にお店みたい!?
自分たちでここまで直して作り上げた成果が眼に見えて現れたことに、一同達成感を味わうことができました。
まだ土壁を取り除いた面などの処置はされていませんが、おかげまつりでのイベントブースとしては、十分に「使える」スペースまでたどり着きました。
本格的な利活用まではまだまだ時間がかかりますが、11月2日おかげまつりでは、是非たくさんの方に再生された現場をご覧いただき、古いモノが再生されることの魅力を共有していただきたいと思っています。
おかげまつりの情報は、イベントページにてご覧ください。